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[コメント] 秘密(1999/日)

非常にせつない物語。原作を読んではいないが、東野圭吾がSF好きという話を聞いたことがある。妙に納得。
BRAVO30000W!

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







こういう映画の難しいところは、どこに主眼を置いて物語を進めていくかという点にある。

誰かがレビューで書いてある通り、確かにこの母親は魂が消えてしまった娘のことに関して思うシーンは最初の数分しかない。

ましてや父親に関して言えば欠片も見せない。

ただ、身内が亡くなったことを後ろ向きに引きずってばかりいる人もいればそうでない人もいるのと同じで、このケースでは少なくとも娘の身体とその才能は生きている、つまり存在自身は消えていないわけで、それを活かして家族で人生を歩んでいこうという姿勢は決して不自然なものではないと思う。

土台それを2時間前後で最後まで見せようとするわけだから、全体のバランスを考えてこういう構成でもありなのではないかと思う。

少なくとも監督は芸術作品というよりは大衆向け映画を撮っているように思われるし、そういう亡くなってしまった娘の魂を愁う物語が観たい人は、宣伝の段階からこの映画を選択肢から外せた筈だ。

最後のオチも途中からわかってしまうが、ここにせつなさのピークを迎える。

あの終わり方は難しいところだがアリだとは思う。変に娘の魂が戻ってくるより数倍面白い。

ともすれば非常にウェットになりがちなものを意外にドライに進行させている手腕は買うべきものであると同時に、広末涼子の存在は素晴らしいもののそれを売りにしていたような宣伝が却って足を引っ張ったように思う。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)mimiうさぎ[*] ことは[*] tredair[*]

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