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[コメント] カプリコン1(1978/米)

まあ日本の報道は毎日カプリコン1とも言えるが。あ、ネタバレ!?
torinoshield

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







丁度米ソ冷戦真っ只中で両者の争いは恐ろしかった。今だから言える事だが両陣営にはこのこう着状態を打開するには強行するしかない、つまり先制核攻撃が一番だ、という考えがあったわけでそうなったら最後、報復に報復が重なって米軍の基地がある所、ソ連の基地周辺は砂漠と化していたはずだ。

この戦争はやがてアメリカが勝つ事になるわけだがその勝敗を分けたのは情報公開レベルだった。ソ連は自国に不利な情報を完全封鎖。アメリカはこの映画の様に自分とこの政府ですら疑惑の目で常に追求する勢力を内包していた。

この結果どうなったかと言うとソ連は政府のありとあらゆる事を批判出来なくなり、つまりこのシネスケで言う全ての映画に5点を付け形骸化した賛美であふれた(もちろん反対側の映画には1点をつける)。

一方のアメリカは5点から1点、評価はバラバラで視点もバラバラ。しかし作る側にとって痛い所、勇気をもらうコメントさまざまで中長期的に見れば次の作品には間違いなく影響が出るシステムだった。

これはこの映画にも言えていてアメリカはカプリコン1を作れたがソ連はそれを許さなかった。つまりアメリカの政府は嘘をつきたくても出来にくい社会でありソ連はその逆であった。これが積もり積もってゴルバチョフにグラスノスチを誘発させソ連が崩壊したわけだ。

この映画の様に内部のタブーや疑惑を平然と聴衆に娯楽として提供出来る社会は健全なのだ。翻って日本はどうかと言うと政府どころかマスコミまでがカプリンコン1全快。

(評価:★4)

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