[コメント] クレイマー、クレイマー(1979/米)
無意識に夫は社会的時間を家庭に持ち込む中で、都会の中の専業主婦は自分の価値観を失っていく。はじまりのわずかな会話シーンだけで、映画以前の家庭を観客に推測させてしまう。一連のフレンチトーストもそうだが、この映画にはそういった表現が溢れている。映画で人間を語るとはそういうことだ。
製作された時期からか「女性の自立」というテーマが取りだたされることが多いが、21世紀になっても有効な、都会の中での家族の再生を描いた、リアリズム的な映画だ、これは。
そのリアリズムから逸脱してしまうことなく、ファンタジックで色彩豊かなネストール・アルメンドロスの撮影も素晴らしい。[2003.2.15]
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