[コメント] 機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編(1982/日)
「はい、そこでまっすぐー」
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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主人公のアムロと言えば、物語の当初は駄々をこねたり脱走したりとヘタレ三昧。しかし映画版三部作のトリをつとめるこの頃にはすっかり成長し、更にニュータイプとして覚醒するにつれて周囲の人々と隔絶した、「撃墜王の孤独」といった雰囲気さえ漂うようになっていきます。 幼馴染のフラウ・ボウにまで「あのひとはちがうのよ」と言われてしまう。改めて書くのも何ですが、初代のガンダムは斯様な距離感、機微の描き方が実に上手いと思います。
そんなアムロが戦いの末に「まだ僕には帰れる所があるんだ」と口にする。その「帰れる所」とは物理的なことではなく、手を広げて迎えてくれる「仲間」を意味しているわけで。友達もおらず独りガンダムを鑑賞しているショッパい人間(要はオレ)も、この一瞬は「まだ僕には帰れる所があるんだ」という幸せな錯覚に浸ることが出来ます。
また大人たちが無力に立ち尽くす中で、アムロを発見し導くのが年端もいかないガキンチョのカツ、レツ、キッカであること。後の『Zガンダム』の陰鬱にも程がある展開を知っているだけに、若い世代、未来への祝福とも言えるこの幕引きが、「すでにうしなわれたもの」として一際眩しく輝かしいものに感じられます。
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