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[コメント] 眺めのいい部屋(1986/英)

 迷っているとき、新しいことに踏み出すとき、その一歩目を決めるのは、情熱。
にくじゃが

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 フォスター原作らしく、19世紀末のポストモダン論がここでも展開されている。情熱は理性、伝統より大切だ、と。

 伝統的礼儀作法、しつけ、教育だけしか教えられなかったルーシー。「こんなのいや」と思ってはいても、声に出せない。上品なお嬢さんは何事も慎み深く、そう言われて来ちゃったんだから。だからルーシーはピアノに向かう。激しく、情熱的にベートーヴェン。思っていたことを口に出せない鬱屈した日々。ジョージの口を借りてフォスターは言う、「そんなの壊しちゃえよ!」。ラスト、ルーシーのうれしそうな顔。とっても晴れやか。ルネッサンスも花開いた、情熱の都、フィレンツェで、新しい時代に踏み出すふたり。うらやましいですよ。

 若干の欠点は、ジョージが私好みじゃなかったこと、当時の身分社会につての知識があまりなかったのであとで勉強しなくてはならなかったこと(めんどくさい)。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)草月[*] ことは[*] muffler&silencer[消音装置] けにろん[*]

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