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[コメント] ストレイト・ストーリー(1999/米=仏=英)

何しろ73歳のじいさんが、500キロを一人で旅するのだから、それだけでもちょっとした冒険記で、ハラハラする。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







実に単純な話なのに、2時間近くも退屈しなかったのはちょっと不思議でもある。思うに、のどかな田園風景や星空など、きれいで心奪われる美しい映像のせいもあるだろう。

なにより、些細なことで(結局何が原因だったのかはわからないままだったが)仲たがいした兄に、許されたい、あるいは許したいというか、ただもう一度あっておきたいと語るシーンは、秀逸。

とりわけ心に残るのは、リチャード・ファーンズワースがそういう「いわく」がある中で、自分から兄に会いに行くのは、「わしのプライドにはきびしい旅だ」と、淡々と語るシーン。

字幕では「プライド」という言葉のままだったが、気まずい関係になった人がいて、ついつい元どおりになる機会を逸してしまう、ということはよくあるんじゃないだろうか。意地とか、こだわりとか、怒りとか、色んな感情が渦巻いて、会いたくても自分からは、というやつだ。

だから、いよいよ兄と対面した時は、途中の冒険記以上にハラハラした。

この映画は、そういう気持ちも含めて素直に受けとめて、なおかつ、そういう「プライドにはきびしい」ことであっても、やっぱり会いたい、という気持ちの大切さを教えてくれたような気がした。

(評価:★5)

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