[コメント] カリスマ(1999/日)
“あ、これから孵りますんで”・・・神になれなんだ人間は、結局ここでも怪獣になる。
コーラスを背に意味深に突っ立っているカリスマは、日本版モノリスのつもりか?
自然ではなく人間社会のメタファーとして、「カリスマVS森」の構図があるとするなら、「やっぱり、どちらも救いたい。」と性懲りも無くのたまわった主人公は、しかし、結局その対立構図を変えることも、片方を救うこともできず。要するに、神にはなれず。当然の結果だ。だが、その当然の結果は、当人に一つの啓示を与えた。救済の度量も建設の能力も持ち合わせていないのなら、残された道は二つに一つ。尻尾を巻くか、はたまた対立そのものを叩き潰すため自らが破壊者となるか。主人公は怪獣になることを選ぶ。
「あ、これから帰りますんで・・・」
“あ、これから孵りますんで・・・”
怪獣は暗雲垂れ込める町を、用意されたご馳走のように見つめる。これから襲来しようというところで、映画は物語を放棄する。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (4 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。