[コメント] 美女と野獣(1991/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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1991年版からカットされた幻の名曲を復活させ、1シーンごとに手を入れたそうです。そして、通常の10倍のラージ・スクリーンでみる映像は、映画が始まった瞬間、会場から感嘆のため息がもれたことでもその圧倒的迫力と美しさがわかります。
一番前の中央にかぶりつきでみていたため余計そうだったのかもしれませんが、自分が映画の中に入ってしまったようでした。一番最初の森の中のシーンの臨場感といったら鳥肌が立つほどで、村の場面に移りベルが歌い出した時には震える感動で泣きそうになりました。まったく、物語が始まってもいないのに泣いてどうするか? と気持ちを落ち着かせましたが、それくらいのすごさなのです。
今回のスペシャル・エディションは日本語吹き替えでの上映です。「Be Our Guest」は原語版のが良かったし、幻の曲「Human Again」のノリはちょっとピンと来なかったけれど、全体としては素晴らしかった。声のイメージが原語版とぴったり変わらず、日本語で表情のあるセリフを聞くということ、歌のうまさ、ルミエールとコグスワースのやりとりの絶妙な間、といった吹き替えならではの楽しさを味わうことができました。
ベルと野獣がお互いを思いあうようになる場面の数々は本当にあたたかい。図書室を案内する時、いたずらっ子のようにベルに目をつぶらせた後、彼女の目の前に手をかざして確かめるしぐさのかわいらしさ!、食事のマナーに一瞬顔をしかめたベルが彼を思いやる気持ちからとったスープの飲み方、そして、小鳥が手に乗った時の野獣の嬉しそうな顔ったらない。
ベルが木の陰に回りこみ自分の気持ちを歌う場面、彼女の頬に瞬間ふわっと紅がさすのです。それはもう微妙に。ダンスの場面は言うに及ばず、動きのある場面の躍動感には感動を超えてそれだけで胸がきゅーんとするほどの体験です。
ところで、魔法が解けて野獣から王子へ変わった時、今回あまりショックではありませんでした。以前より顔が良い感じの王子様……。1シーンごとに手を入れた際、「キャラクターの顔とボディを洗練させた」らしいのですが、もしや?
オープニングと繋がるラストのステンドグラス仕立の場面の、幸福に満ち溢れた色と表情に少し乾き始めた涙がまたあふれ出してしまう。
会場を去るときに思った以上に小さい子供が多いのに気付いて、それなのにぜんっぜん声が聞こえてこなかったんだ! と驚きました。
(02.01.27)書き直し
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