[コメント] ジョニーは戦場へ行った(1971/米)
重く暗く力強いが…
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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全てから断絶された彼。くまなく見ることはできないが(ていうか見たくないが)彼の有様は私の目に驚愕的に飛び込んでくる。私は、この時点で完結してしまっていると思う。 彼の思考は言葉となってモノローグとして悲痛の叫びを上げる。彼の言葉こそがこの作品を支えていて、絶望を伝えてくれるのだが、しかしそれでいいのか。 彼の画を見せておきながら、彼の有様を見せておきながら、圧倒的な距離があるはずの彼と私を本来誰にも届くはずのない彼の言葉で繋ごうとする、私は彼の絶望を理解したような気分になってしまう。 接近することで感情移入を可能にし、怒り悲しみ絶望を明快に伝えることはできたが、代償として画面の奥の存在感、なにやら彼の感情のみがビシバシ伝わってきて彼の存在そのものは希薄だったような、そんな気がした。 本来、沈黙され環境音のみがこだまする空間が存在するべきでない言葉で覆い尽くされている。この言葉はノイズだとすら思った。
じゃあどうすんだ、彼が喋らなければいいのか、と言われてもそうではなく、そもそも私の肌に合わなかっただけで、そもそもこんな作品は映画にはできないんじゃないかとすら思っていたりします。
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