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[コメント] 17歳のカルテ(1999/米)

この「病」、現実はもっとキツイです。俺の彼女の兄弟は、今でも境界性人格障害。今回はたまたま「当事者」側なので、少し長めにヒトコト→→

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この「人格障害」。 ここ最近、やっと日本でも扱われるようになってきた様子。 単なる「精神異常」では片付けられない事件が増えてきたこともあって、ようやくその存在にマスコミも注目し始めた、ってところでしょうか。

それでも認知度は低く、例えこの「病」に気付いたとしても、日本ではまともに治療できる施設なんてほとんど無いのが現状です。 都心の有名な病院でさえ、人格障害の概要すら理解してない始末。 (←精神科としてかなり評判が良かったので行ってみたら、症状説明しただけで医者に驚かれた。こっちがビックリだよ。勉強しろ!)

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どうやら文明が発達し、物と情報に溢れ、複雑に錯綜した社会では、精神のバランスを保つのは結構難しく、誰もが精神的に壊れてしまう危険性を孕んでいるらしい。 思えば俺だって、新宿や渋谷を普通に歩いていても、衝動的に怒りが込み上げてくる瞬間に出会うことが。 理性を膨らませて抑えてはいるけど、言ってみればこれだって少々「反社会性」で「境界性」な部分なワケで、きっと多かれ少なかれ誰もが持っている部分です。 もし、抑えられない瞬間が訪れたら・・。 正常と異常の境界なんて、本当に紙一重。

そんな折、以前では理解し難いニュースが日々増えている事に、少し肯けることも。

そういった事件をこの病気で一括りにしてしまうことはもちろん不可能で、 病名が付くことで画一的に扱われる危険性も隣り合わせ。 特に日本って、もともと物事の本質に目を向け難い民族性だし、そんなお国柄だし。 表面的に欧米の真似事をやるのも得意技だけど、それも困る。 この問題の根本治療には当然、医学の発展だけでなく教育や法律の整備も必要としているので、そりゃもう気が遠くなる話です。

あるいは、人間が元々持ち合わせている性質の一端なのかも。 ・・だとしたら、自らに内包する「闇」に気付き。触れ。理解しようとするのも人間のアタリマエだし、この先いつか予防出来るようになるものなら、是非予防した方が良い。

自分らの子孫が内側から壊れて傷付け合う世の中なんざ、寝覚めが悪いってもんだ。。

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映画の批評から話が逸れてしまいました。。

作品の中、アンジェリーナ・ジョリーは「反社会性人格障害」ってことだったけど、あの様子では明かに軽度。 実際に「反社会性」と診断されるのは、もっと一筋縄では行かぬ激しい症状を持った人々です。

その「闇」の部分が軽めに描かれているのは残念。 中途半端な合理性と美しさを匂わせたのには疑問。

ただ、映画としてのカタルシスを失わず、結果、誰もが観賞できる作品に仕上がっているのには好感。

我々がこの「病」の存在を知る事こそが、きっと「治癒」への第一歩に繋がるから。。

(評価:★4)

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