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[コメント] X−メン(2000/米)

導入部を含め、敵味方の描き方にはブライアン・シンガーの色が出ていた。アクションは前時代的。
TM

**ネタバレ注意**
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現在でも、社会の中に色々な形で存在する差別。そのテーマをアクションに持ち込んだのはいかにもシンガーらしい。しかし本作では、異能を持つがために差別を受けるミュータントのその「力」はあまりにも圧倒的で、マイノリティであることの葛藤、苦悩は意味が薄れてしまっている気がする。登場人物はみんな平気で空飛ぶし、眼からレーザー噴きだすし、雷落とすし…。こういうアクションはもうスーパーマンで見たよ。力対力の影のないアクションも好きだけど、敢えて影を描こうとするならば、光源をもっと弱くしなければ。つまり超能力をもっと弱く、限定したものにした方が良いんじゃないかな。でもその様な設定では、(僕は読んでいないから想像だけれど)原作を読んで期待している人たちの思いに答えられないかもしれない。このテーマを描こうとしたときに色々な意味で原作の制約は大きそうだ。勝手を言わせてもらえば(興行的にどうかはともかく)このテーマで撮るならば、七瀬三部作の筒井康隆をはじめ、むしろ日本の小説にいい題材があるように思う。

(評価:★3)

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