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[コメント] キャリー(1976/米)

おばけ(顔)のキャリー。
グラント・リー・バッファロー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







今から見れば、これも『ゴーストワールド』のような郊外を舞台にした作品とも考えられるだろう。どこにも行き場のないキャリー。また、わざわざ豚を殺してまで意地悪をしようとする高校生たちの暇さ加減も、この町にはどこにも行くところがないゆえだろう。

シャワーシーンや体操シーン、血を落とすまでのスローモーション、赤い画面の復讐シーン、母娘の殺し合いなど、あまりにも意図が見え見えのくっきりした構図が、デパルマ流とかB級映画と言われる由縁なのだろうなと感じた。

そうした作風だから細部にいちいちつっこんでも仕方ないのだが、個人的には血を落とした後の殺伐とした空気よりも、お仕着せのドレスで「変身」したキャリーを歓迎する空気、とりわけ企みに関わっていなかった人たちが作り出す空気のほうがよっぽど薄気味悪く、キャリーにとって残酷な気がした。喜ぶ彼女の表情がとても哀しい。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)ねこすけ モノリス砥石[*] ぽんしゅう[*] けにろん[*]

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