「女の人が何を考えてるのか参考にするためにこの映画を見る」という勉強熱心な知人がいた。女性の本心を赤裸々に暴く映画を期待していたらしいが、そんなわけない。女性が見て気持ちいいように作られた、女性性善説に基づく（しかも）ラブコメなんだから。結局のところWhat Women Wantて何だったの〜？・・なんて野暮なツッコミを入れるのもばからしい。まあ、少なくとも、全ての女を「女」と一括りにして結論を出そうなんて、そんな無意味な志を持つ映画では（当然）なかった。

主人公が女性に（心中で）罵られる事によって謙虚になって他人を思いやれるように成長して〜ってのは良い話ネ。人の立場に立ってものを考えたところで結局は自分的にしか相手に共感できないのだから、それはそれで自己満足な話であるが、その点、この主人公は相手の考えてることがダイレクトに分かるんだから余計な想像力はいらない。ただ、相手を「理解しようと努力する」ことは大切だけど、女性に共鳴・同化する男性に対して、はたして女がその男性に男としての魅力を感じるかと言えば、そうとも言い切れないのが世の哀惜。こと恋愛に関しては「理解してほしい」というのは本音であり建前であり、詰まるところ、女も男も自分とは異なるから惹かれ合うんであって・・・以下省略。ああ、何故わたしはこんなラブコメをクソ真面目に検証しようとするのか。

知人に言いたかったのは・・・「もの言わずに思っただけで〜♪すぐアナタに分かってしまう〜♪」←この歌からも学べるように、こんな男は地球の男ではない（第一、こんな男はコワイ）。だからあまり余計なことは考えずに、無邪気に踊っていれば宜しい、と思う。「男ってバカね〜」なんて言われる男ほどモテるんだからさ。（程度によりますが）