[コメント] 荒野の七人(1960/米)
複雑だが。
映画全体を眺めてみると、個々のエピソードは単発で、いささか唐突でもあり、言うなればかなり大雑把にクライマックスを迎える物語展開には非常にがっかりするところがあったし、西部劇という観点からも、それらしい画的な高揚感に欠ける作品でもあったことにも激しく意気消沈した。こんなことなら再見せず、あの舞台には今も千万の黄金が眠っていると思い続けていたほうがよかったのかもと、かなり複雑な気持ちを抱いたのも正直な感想である。
しかし、その昔、子ども心に胸躍らせたあのシーン、まず冒頭のバーンスタインのテーマ曲、拍手よりも早くガンを抜くブリンナー、走りかけの馬に乗り敵を追うマックィーン、機関車の前で銃より早くナイフを抜くコバーン、薪を割り(なぜかこのシーンを思い出すたびにジェリー・ウォレスの歌声までもが蘇る)、尻を叩いて親の尊さを説くブロンソン等々を再見し、これらのシーンが相変わらず格好良かったことには安心した。そしてまたこれらのシーンが何十年もの間自分の脳裏にしっかりとした画像として残っていたことにも感動した。さらに言うなら、ウォラックの良さに気付いたことは、この歳になって再見できたからこその喜びであった。
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