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[コメント] 回路(2001/日)

見えない怖さの表現は天下一品。見せていく展開と見えてきた時の映像には難あり。
パッチ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







見えない恐怖、理解できない恐怖の描き方には素晴らしいものがある。ちょっとずつ感じさせていく緻密さはなかなかのものだった。

しかし、武田真治が語り出したあたりから、だんだん緻密さが失われ、終盤は脈絡なく都合の良い方向へと展開していってしまう。どうして2人が残ったのかもわからないし、何となく窓から見える工場に行ってみようとしたり、どういう訳か船に乗ったりして、緻密さとともに怖さ自体が吹っ飛んでしまった。

ただ、現代の孤独に対するメッセージは、受け取ることができたと思う。ネットワークでつながった現代が実は如何に孤独であるか、コミュニケーション・ツールが孤独を癒してはくれないことを、ネット上の人間の曖昧さや、携帯電話を投げるシーンや、麻生久美子が必死になって友達とコミュニケーションを図ろうとするところが象徴していると思う。

終盤の精度の低さは本当に惜しいと思った。仕方なくマイナス1点。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)太陽と戦慄[*] sawa:38[*] muffler&silencer[消音装置][*]

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