[コメント] アウトロー(1976/米)
冒頭の襲撃シーンの演出の厳格さ、壮絶さから想像される典型的な「復讐」譚を、遥か超越する「回復」の物語。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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異変に気付き家に走るイーストウッド、手遅れであることを予感させる不穏さの演出。焼死した子供の遺体を運ぶ件りの凄惨さ。
このような悪夢のような忌まわしき体験を基点とした物語であれば、強烈な復讐譚として構成されるのが定石だと思うが、展開される作劇は遥か別次元を行く。
いや復讐譚であるのは確かなのだが、バラバラだった弱き者たちが疑似家族となることで心の回復を遂げるという作劇の志は、日本人ではちょっと思いつかない。そして、その志の高さ故に直感レベルでの感動の得づらさが生じてしまっているのも確かではないだろうか。
それにしてもイーストウッドのアップカットが多い(唾吐きと連動しているから、という理由もあるのだろうが)。表情のバリエーションは、ほぼ一種類しかないにもかかわらず、アップカットが決まり続けるってのも大したものだ。
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