ウディの芸達者もさることながら、トレイシー・ウルマンがまた良い味出してること。この二人の掛け合いはホントにおいしい。笑って笑って、おかげでお腹いっぱいになりました。

打算的なニヤけ男のヒュー・グラントは、最後に煙草入れを盗まれてしっぺ返しを食らうし、本来なら一番の憎まれ役になるハズの会計士も、結局画面のなかには登場せず。そんな娯楽として気持ちよく映画が見られる細かい配慮が、隅々にまで行き渡っているのがまたココロ憎いばかり。

もちろん皮肉な味付けにも抜かりはない。全てのきっかけとなったあの夕焼けのシーンから、サンセットという社名にしたセンス。結局奥さんが学んだことが、何の役に立つのかと言えば泥棒稼業という皮肉。でも個人的に一番強烈だったのはピグマリオンのくだり。もういたたまれなくなるくらい可笑しい（笑）。