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[コメント] ギフト(2000/米)

特殊なライミファン誕生

とりあえず映画の評価としては、ただ単に少しも面白くなかった。

先に観た『パニック・ルーム』にも同じことが言えるのだが、つまらない話はどう作ったところで面白い映画にはならない。「腹の立つ話」とかを除き(個人的にはペイ・フォワードとか)、俺がここ数年で観た中で多分一番つまらない脚本だと思う。といっても出来が悪いってんじゃない。何が問題ってまず話に興味が湧かない、怖くない、気持ちもよくない、新しくもない、何を楽しめばいいのだ。そんな最高につまらない話をこれだけ小奇麗に、これだけわかりやすくまとめた脚本家諸君は、ある意味ハリウッド脚本家として物凄く優秀なのかもしれない。今頃きっとプロデューサーに褒められているだろう。

そしてサム・ライミ。こいつは凄い人らしい。こんなつまらん話をここまで「本格的な」映画にした彼の腕前は敬服するばかりだ。この人が面白い脚本を手に入れたら、皆さんの期待するB級風味などなくとも、普通の映画で超一流の職人仕事ができるのではないか。

しかし、惜しいかな、どんなに小気味良く演出しても、どんなにこなれた脚本に仕上げても、どうあがいても話がつまらなすぎて、少しも「面白さ」に結びついていないというのはどうしたものか。だってさあ、こんな少しも魅力のない話をどんなに丁寧に仕上げても、何の意味もないよ。まずい料理をどんなに奇麗に盛り付けてもまずいんだもん。皆さん本当に面白かった? 監督がいい、ケイトがいい、キアヌがなぜか悪くない、色々褒められてるけど、その結果本当に面白かった? 正直、こんな話を大真面目に撮り切ったライミ氏が哀れになってきただけなんだけど・・・・。良い所を褒めるのは基本だが、どう考えてもその結果面白い映画になったとは思えないのよん。あたしゃさ。

とりあえずライミって人は俺は好きになった。開き直ってカメラワークで遊んだフィンチャーに比べて(こっちの方が正しい選択だと思う)、ライミ氏の可哀想なまでの真面目仕事は、応援するより他ないです。ライミファンの皆さんとは少し違った理由からですが、俺も陰ながら応援させてもらいます。

それにしてもピンク・・・

(評価:★2)

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