[コメント] 夜逃げ屋本舗(1992/日)
タイトルで損をしているが、コンパクトに作られたスピード感とエンタテイメント感に溢れた邦画では珍しいタイプの秀作。主演の中村雅俊と大竹しのぶがスターだけが持つオーラを発揮しており、作品を引き締める。モラルと人間味の相反する交差が捻りが効いており脚本に好感が持てた。
タイトルから、な〜んかダサそうで、敬遠していたが深夜放送で見たら、きっちり丁寧に撮りあげられており好印象。夜逃げを手伝う法を犯しているサイド(中村たち)が人間味に溢れ、法に基づきルールを守るサイド(大竹)の方がギスギスしている悪役的な印象という解釈が面白い。男同士がバトルを繰り返すのじゃなく、男vs女にキャスティングしたのもハリウッド的で好印象。共に70年代に青春スターとして出てきた主演二人が90年代に入り、こんな役で火花を散らしあうというのもストーリーと無関係に見応えあった。中村はリーダーの存在感もあり役柄のせいで人情味溢れて見えるのだが、演技に関しては出てくる度にピリピリと電気を放つような勢いのある大竹が数歩リード。他のキャストは高木美保以外、恐ろしいほどパッとせず適当にそろえた感が漂っており、作品が良いだけにイージーな脇のキャスティングが悔やまれる(谷啓はナイス)。もっとスタイリッシュさを優先させたらメガヒットしたかもしれないのに!。限りなく4に近い★3つ。トム・ハンクスとデミ・ムーアでリメイクなんていかが?。
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