[コメント] 千と千尋の神隠し(2001/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
それぞれのキャラクターがきちんとした役割・ドラマを持っており、中途半端さがない。だから見てて?と腑に落ちないところもないし、心地よくストーリーが展開していく。
あと、随所にちりばめられた笑いのエッセンス。これもかなり効いていたと思う。いつもだとヒロインの回りが笑いを取るキャラなのに、今回は千尋自体が笑えるキャラクターだった。千尋のドジぶりが楽しいし、シリアスな場面では他のキャラクターがすかさず登場して、笑いを作り出してくれる。
びっくりしては笑い。せつなくなってはまた笑い。こんな感じで感情がブンブン振り回された感じ。
腐れ神さま・かおなしは子供(2歳児)が喜ぶキャラクターだった。 お腐れさまが登場すると「うんこ来たよ〜」と大喜び。 かおなしが登場すると「かおなし来たね〜」といって目を輝かせる。
なんでだろう……。 お腐れさまはともかく(うんこに勝るキャラなし)、かおなしってすごく悲しい存在ですよね。そういう悲しい雰囲気が子ども心をクスグルのかしら?
友達が欲しくて油屋にやってきて、なんとか相手の気を引こうとするが、その手段がわからない。人の喜ぶことをしてあげればよいのだと思い、千尋に札を取ってきてあげたりするが、それだけでは心が通じ合わない。砂金に群がる人々を見て、それで仲間を作ろうとするが、結局、物や金で友達は作れないのだ。
廃棄物でうんこと化したお腐れさま(川の主)。 人々の汚い欲でブクブクと膨れ上がったかおなし。
自分(人間)の汚いところをこんなふうに見せてくれるとは、さすがです。
あと、何度見ても涙しちゃう場面、ハクが自分の名前を思い出すシーン。 なんでだろー。涙がジワ〜と溢れてくるんですよね。 川の神様だったハクは、自分の居場所を失ってしまう。魔法を使って、もう一度、自分自信でもある川の流れを蘇らせようと思ったのでしょうか……。
どこか人里離れた山の頂きに(願望)新しい水脈が生まれたら、それは名前を取り戻したハクの姿かもしれませんね。
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