[コメント] ビヨンド・ザ・マット(1999/米)
プロレスって、レスラーって、こうだからこそ凄いんです。彼らは命がけの俳優なんです。スタントも無く、観客にはビールをかけられ罵られても、彼らはプロレスがしたいんです。ただスポットライトが浴びたいから。家路につく観客達の笑顔が嬉しいから。
本当は「プロレスなんて八百長でしょ」って言い切っちゃう人達に観て欲しい作品です。でもそういう人達にはこれでもまだわかってもらえないんだろうな。
映画の虚構が許されてプロレスの虚構が許されないのは、ただ一点「これは虚構です」と発表していないからだと、僕は思っています。アメプロが「フィクション宣言」してしまった時には少々眉をひそめたものでしたが、冷静に考えればこれほど効果的で力強い開き直りもないでしょう。フィクションであると認めた時、彼らは「血を流す俳優」になることができ、初めて演技・ストーリー・そして痛みを、真っ当に評価して貰えるステージに上がれたんです。その評価はアメリカでの人気が物語っています。
日本もこうなればいいのにと思いつつも、選手生活の大部分を「虚構の時代」に過ごしてきた選手につきまとう「哀愁」が! プロレスを愛する者としてこの「哀愁」もたまらないんだよなぁ。やっぱり日本がこうなるのはあと5年だけ待ってね。
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