とても中途半端で、モラトリアムな青春をおくってきたワタシにとって、この映画の主人公たちの生きざま（笑）を観るにつけ、非常に慚愧に堪えないのである。何かに打ち込んだり、一途になることは「かっこわるくて」「みっともない」ことだと、シニカルに眺めていたことを、ここに深く猛省します。たとえかっこわるくたって誰かのココロを動かすことが出きれば、それはもうとてもかっこいいことなんだね。

　キャラクターの設定がステレオタイプだけど、わかりにくくなるよりずっと良い。でも他のコメンテータさんのコメントとかぶりますが、ナゾのオヤジといえば竹中直人っていうのはそろそろやめにしては？ワタシとかどう？柄本明が志村けんのだいじょうぶだぁでやっていた芸者が腹がよじれるほど好きでした。この映画ではその片鱗を見せてくれて嬉しかった。

　クライマックスのシンクロシーンはうれしはずかし若さあふれ、日本映画史に残る名シーンだと思う。