[コメント] アメリカン・スウィートハート(2001/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ジュリア・ロバーツの演技は、『エリン・ブロコビッチ』のそれよりも上というか、オスカーをもらって余裕が出てきたんじゃないかな、と感じたなあ。
特に、手(腕)の演技(勿論、演出もありますが)が素晴らしかった。
というのも、昔太ってて痩せた人ってのは、やっぱり自分の体に拭いきれないコンプレックスを持っていて、どうしても体を隠すような腕組みをしてしまうんだよな。115kgから50kg痩せたオイラが言うんだから間違いないッス!
あの腕組みは、そのカラダに対するコンプレックスの表れでもあるけれど、もうひとつ意味があるよなあ。光り輝くゴージャスな姉に、金魚のフンのように♪ヘイコラサッサ、思い〜っきりパシリをさせられているのに、それを生き甲斐にして、自分を充たしてしまう、心理学用語で言ういわゆる「共依存」状態。その状態に、長い年月の間に積み重ねられた「なんだかなあ〜このままでいいのアタシ?」ってな違和感を抱きつつ、突き破れない姉に対するコンプレックス、その表れでもあると思う。
それが、「ずっとあなたが好きだった」的に、姉の元夫に対する思いを、「これを逃がしたらチャンスはないわ!」とばかりに、あくまでも友人のスタンスを保ちながら、気のない素振りを見せつつ、ジワリジワリと組んでいた両手を放っていく。青アザ作った彼のコメカミを、ソッとなぞってみたりなんかしちゃったりして!男心をくすぐるテク!いや〜ただモンじゃねえぞ、キキ!
それにしても、相変わらずキレる演技が冴えてるねえ、ジュリア・ロバーツ。最近じゃ、あの啖呵を期待しちゃうもんな。痩せ具合というか、ギスギス具合は、『オーシャンズ11』の時と変わりないと感じたけれど、あの啖呵がアルナシじゃ、光り具合が全然違う。あれだけ、男も真青形無しな啖呵がキレるのは、岩下志麻ぐらいなもんだ。
でもさあ、両手を放つきっかけが、パッとしないジョン・キューザックってど〜よ?恋する相手に華がないのはいいけど、スターなんでしょ?スターねえ・・・スター・・・カナ。
いや〜、それにしても、あの「監督」がオスカー三度受賞ってのは、説得力ナシ。
ところで、映画そのものは「優秀な凡作」。恋愛コメディーにしては、キラリと光る、「オイラもどっかで使ってみて〜!」というセリフがひとつもなかった。というか、セリフそのものが低俗・下品のラインを超えてない。低俗・下品なのは好きだけど、こういう中途半端なのは、チト不満。展開は、予告編を見て想像していたものとは違ったので、良かったケド。
さてと、二人がこの後うまくいかない方に、1ペソ賭けるゾ。どうだどうだ?乗る奴いね〜か?
〔★3.25〕
[Cinema Route 170/3.07.02]■[review:3.07.02up]
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