[コメント] ターン(2001/日)
牧瀬里穂は30に近づいても初々しい。見かけが、ということもあるが感性が、だ。下手なアイドルにやらせたら陳腐になっていたかもしれないこの役を、牧瀬は物怖じすることなくやりおおせた。
最初は筒井康隆の『しゃっくり』のように時間の罠に閉じ込められてしまう話かと思っていたのだが、この物語はそれよりはずっと淡々として上品であった。平山監督は牧瀬の垢に塗れないピュアさを見抜いて、版画の才はあるが未だ少女のような女に抜擢したのだろう。
彼女の理解者である中村との、姿の見えない同士のレストランでのデイトシーンなど、ベタともとれるが泣かせる場面だった。時空を超えて降り積もる雪、また雪。上質のファンタジーだった。
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