この作品はアメリカで三週連続一位と言う快挙を成し遂げた作品。予告でこれを見た時は「おまえらは鉄腕アトムか！」とこっそり突っ込みも入れたさせてもらった)。

　冒頭部分が海と空から始まる。しかもやや画面が荒れて、青がきつい。一瞬これだけで歓声を上げそうになった。これはまさに70年代。007シリーズの幕開けとそっくり。おそらく画面もデジタル処理してテクニカラーっぽく見せているのだろう。ロドリゲス監督は本当に映画好きで、様々な映画のオマージュを織り込むが、この作品は冒頭からいかにも「スパイ映画でございます」と言っているような作りである。

　笑いありアクションあり、テンポも良い。なーんも考えずにただ楽しみたいというなら、それも良いし、画面の端々にある007を初めとするスパイ映画のオマージュを探してみるのも良い。随所に笑いが盛り込まれた楽しい作品ではある。ロバート・ロドリゲスは本当に映画を愛していることが分かる。

　その分話の展開はベタベタで、殆ど全て予想の範囲内であったことが少々問題ではあるが。