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[コメント] アザーズ(2001/米=仏=スペイン)

演じ手と作り手と観客が三位一体で楽しむ超娯楽映画
dappene

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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非常によくできた映画である。

この監督は29才の若さで、ニコール・キッドマンクラスの大女優を完璧に演出した。これはすごいことだ。拍手喝采である。

ニコールのフィルモグラフィの中で最もハイレベルな「演技」を引きだしたのではないだろうか?

ニコールの心的不安定感をシーンに織り込んだ演技と、子役達の病的な表情はこの映画の重要なファクターだが、なんといっても精緻の域を尽くした演出につきる。屋敷に住む「アザーズ」をまったく画面に出さずに、光と構成のみで観客の恐怖を呼び起こす。見せないことによりラストのオチも整合性を保てる。

血もグロい描写も皆無なのにこれだけ怖い映画も久しぶりだ。誰も死なず、何も起こらない。それなのに、なぜ怖いのか?

分析は無用だ。監督が観客の為に知力の限りを盛り込んで「楽しい(怖い)」映画を作ろうと努力し、役者が監督の意図をきちんと理解した上で演技し、観客は楽しもうとして観た。ただそれだけだ。

実は初見は外国。まわりのナイスリアクションな観客達が「絶叫」するので、こちらもつられてビビってしまった。こういう環境もかなり大事だったりする(特にコメディ)。あまりオチなど気にせずに「積極的に楽しんで(怖がって)」みてはいかがなものか。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)mfjt[*] ハム[*] らいてふ kazby[*]

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