コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ロード・オブ・ザ・リング(2001/米=ニュージーランド)

原作込み・3作完結で評価すべき作品(附記:クリシェ論「絶体絶命編」とアルシュの「指輪物語・イン・ニュージーランド」)
アルシュ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







完全出遅れ鑑賞につき、あまり偉そうなことは言えませんが、お読み下され。

クリシェ論「絶体絶命編」

”クリシェ ”とは、よくある決まり事やパターン、法則、お約束ごとを指します。

私のコメントとしては『ことの終わり』の「咳払い編」と、『キャッツ&ドッグス』の「時限爆弾編」につぐ第3弾です。

さて、この映画のクリシェはと言うと、9人の勇者達がモリア洞窟内で大量の”オーク”に囲まれて、絶対絶命になったシーン−−−更なる強者”悪鬼バルログ”が現れ、”オーク”が退散して救われます。

おいおい、どう考えたって悪鬼バルログ1匹より、弱っちくてもあの”オーク”の数の方が驚異だろ?

他にもスティーブン・スピルバーグの映画で同じ様な絶体絶命のシーンがありましたね。

−−−−− 途中までは完全蛇足(いや、ここが本題かも?) 読み飛ばして可 −−−−−−−−−

アルシュの指輪物語・イン・ニュージーランド

奇しくも私にもニュージーでの指輪物語がある。

新婚旅行はニュージーだった。南島はバスでの移動が多く、バスの中で今まで填めたことのない指輪がしっくりこなくて、填めては外し填めては外しを繰り返していた。そして、いつの間にか指輪が無くなっていることに気付く。羊の横断の為にバスを停めていたところで停車し、バス外に出たところでいつの間にか指輪を落としていたらしい。

「今夜ホテルに入ったら、大切な指輪を無くしたことを正直に誤ろう。」・・・と心に決めていた。

ところが、ホテルに着くや荷物をまとめていると、バックの中から結婚指輪がポロッと出てきたではないか!・・・そう、バスの中で足元に置いてあったバックの中に落ちていたのだ。この指輪は私を持ち主に選んだのだ。どんな事があっても離すまい、と心に誓うのであった。(ジャンジャン!)

新婚旅行はニュージーランドがチョベリグ!

これだよこれっ!本格的にニュージーの大自然を見せてくれたのは、この映画が初めてじゃないか?

たしかに『ピアノ・レッスン』はニュージーとうたった上でのロケだったし、『夏服のイヴ』は観光誘致映画だったが、この『ロドリン』は、ニュージーランドの自然そのものとも言うべき、南島の最高峰マウント・クックを中心にロケをしている。

9人の勇者達が滅びの山に向かう途中一息ついている場所は、17年前に新婚旅行に行った、マウントクック・トレッキングコースの途中に他ならないじゃあないか!

思い起こせば、マウントクックの麓にあるハーミテージホテル近辺の飛行場から氷河着陸出来るスキープレーンに乗ったものの、悪天候のため着陸出来ず、その後に気を取りなしてのトレッキング。

新婚旅行ながら、一番の目的が達せられず大泣きして「マウントクックのバカヤロー!」と叫んで家内に笑われた。その地がまさに今回のロケ地。今ではむしろそのトレッキングが最高の思い出となっている。それを実写で思い出させてくれくれた映画だ、有り難う!

未婚の皆さん、ニュージーランドは世界の自然環境が凝縮されたような魅力がいっぱいです。この映画の場面を胸に、新婚旅行はニュージーランドへ行きましょう!

(熱海観光協会さん、申し訳有りませんm(_ _)m ペコペコ )

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

あまりにも脱線しすぎた。この映画の内容について語ろう。これは原作込み・3作完結で評価すべき作品だ。

今回は採点を避けた。"Strider"を"韋駄天"と訳する戸田奈津子訳は、どう考えても違うだろう。そう言った誤訳がきっと随所にあるはず。きっと、トールキンの原作を読むことによって、この映画の見方が随分変わってくるだろうし、言葉ひとつひとつの重みを理解する鑑賞レベルを要求される作品だと睨んだからだ。

並の映画と違って、エンディングの最後まで席を立たない人が実に多いと感じた。これはエンヤの曲と相まって、この夢のような映画の続き、今冬に公開される「二つの塔」に想いを馳せている人達なんだろう。そして、私たちには、この夢の続きをもう2度体験できることを約束されている。

尻切れトンボだという評価もあるだろうけど、主人公の成長物語としてみればまずまず完結している。フロドは、仲間等が指輪の魔力に魅せられてしまう事によって、指輪を滅びの山に捨てる事を真の意味で受け入れる。主人公フロドと共に、諦めず、第2作目公開時までに原作を読む義務があると私は思う。この重厚長大で言葉ひとつひとつの裏側にある背景世界を理解し、そして3作目まで見終えてこそ、この作品を正当に採点する権利が生まれて来るのであろう。

(評価:★0)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)kiona[*] ペンクロフ[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。