[コメント] お葬式(1984/日)
坊さんの外車や霊柩車の踊り竜を金満と映画は茶化し続けるのだが、自分の別荘もまたバブリーに見えることに、この監督は全く無防備らしいのだ。これがとても滑稽に見える。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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香典が風で飛ぶ辺りは自虐というより愉しい思い出というタッチだ。三河も金満の風習で選ばれたのだろう。
浅井晋平の八ミリ撮影の件が突出して素晴らしく、他を喰ってしまった。カラー部分でいいのはエンドタイトルの二階のゴミを野焼きしている一階に放り投げるショットで、そこだけだ。前半は無用に暗い画面が多過ぎる。蓮實重彦が試写会で監督を面罵したというのは知られた話だが、気の毒だがさもありなんと思う。
宮本信子は父親が危ないという報を受けていたのにCFの仕事をしている。何で病院に駆けつけないのか。宮本は、女郎屋の経営を母親に押しつけていた遊び人だと愚痴る。親子仲は悪かったのだろうと観客は思う。若い妾にフィリピンで女買った自慢話をしたいという願望、生前に撮った胸に勲章つけた遺影、という断片もある。しかしこれら前振りは後半になんにも生かされない。通夜の席に尾藤イサオに参入し、菅井きんと宮本と三人で泣き出して思い出の歌を歌い出してシンミリしているのだが、この意味も全然判らない。いい加減なつくりだと思う。
高瀬春奈の脱線は好ましく、さらに脱線させればいいのに元に戻るのが大人しい。本作は結局、自分の体験と比べて同じだ違うというだけの薀蓄映画なんだろう。藤原釜足の遺作は『Wの悲劇』で本作ではない。再見。
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