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[コメント] 鬼が来た!(2000/中国)

ラスト30分までは、この迫力あるエンターテイメント映画を、まるで中国人の群集の一人のように傍観し笑っていた。しかし見終わった感想は、
Linus

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







アンタは犯罪者(加害者)の孫なんだよ! 

と、脳天を棒で殴られ頭を真っ白にさせられた感じと言おうか・・・。 ラストの首だけになったマーの笑いが、救いではなく、アンタ今まで なぁんも考えてこなかったでしょ? という皮肉にしか思えなかった。 日本人として不愉快なのではなく、この繁栄も、多少金がある国に なったことも、全てあの歴史の延長であって、自分の今の生活を切り離して 考えちゃダメなんだよという強迫観念、いたたまれない気持ち。

しかし、

謝ればいいんでしょーか? 開きなおればいいんでしょーか? これからのことを考えるって、何を考えればいいんでしょーか? どうやって反論すればいいんでしょーか? 勇気もないし言葉も 持ち合わせてません。それほど日中関係の歴史も知りません。 中国人は、やっぱり恨んでるのかなぁ、と思ったり。 南京大虐殺で、20万人殺したなんて本当かなぁ、と疑ったり。

結局、私は、朝日新聞に洗脳されてる偽善者なんだな、と思うしか ありませんでした。

でも、自分を棚にあげますが、なんでこんなに絶賛されてるんだろう? 日本人として、ただただイタイ映画だと思うんですけど・・・。

(追記)...........................................................

時間が経つにつれなんだか悔しさが募ります。 妥当な言葉も見つからず、失語症にさせられた気分です。 コメンテータとして登録した限りは、映画に対し、少しは拮抗するくらいの 文章を書きたかったのですが、オロオロするばかり。 しかも監督は38歳で、この映画を撮ったんですよね。戦争を知らない 戦後生まれでも、あたかも戦時下のような映像、脚本を生み出せる事実に 感服しました。人間の想像(創造)力は、まだまだ奥底がしれない。 映画は総合芸術だよな、と改めて思うのでした。 この映画を評すれば、黒澤〈生命力〉とキューブリック〈狂気〉と エミール・クストリッツア〈軽妙洒脱〉が、天から降りてきたよう…。 おいおい、まだ死んでない人いるって。(←自分突っ込み)

※芸術とエンターテイメントは、本来は相反する物ではなく、 芸術の要素の一つであるはずなのに(その逆でもよい)、最近のインテリ 映画人が、排除した、あるいは二項対立の図式を作ってしまったことは、 映画をつまらなくしている気がしてなりません。 では芸術とはなんぞや? と問われれば、見た後、何かを考えさせられる もの、という定義しか思いつきません。 つまり主観の問題に帰着してしまうのですが・・・。

(評価:★5)

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