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[コメント] マジェスティック(2001/米)

夢を見ようとした人達(登場人物)の物語。それを映画館に夢を求めて来る人達に提供して何が悪いのか。
プロデューサーX

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ルークが偽物だということはローソンの人達は、みんな感じていた事だ。アデルはもちろん、特に父親は新聞を裏返し(真実に近づくことから目を背け)、いまわの際の偽ルークの「実は…」という告白を無視して死んでいく。彼が幸せに死ぬにはそうするしかなかったのだ。

そしてルークの近くにいた人は特に、ルークが生きていたという夢をみることによって、もっと個人的な不可逆的な夢を見たかったたのだ。だからこそローソンという町の再生にも、それを信じることが必要だったのだ。

ルークが偽物だと本当に知らなかったのは彼自身だけだ。つまりジム・キャリーがいつも演じていた道化がそこにあったのである。

アメリカが良い国だと信じて、それを守るために戦った人達がいる。たとえレッドパージがあってもそれを間違いだと認識し、より良い国にしていくための小さな個人がローソンを含め、そこここにある。そんな生き方や、そんな国の有りようを理想とし、必ず正しいものが勝利を得るという人間全体の価値観をお話(映画)の中に求めてアメリカ人は映画館に来るのである。

アメリカ映画のそんな成り立ちも分からずアメリカ映画を論じ、否定するのなら、アメリカ映画は見ないでもらいたい。思想が右とか左とかいうのは、娯楽としての映画の前には無意味である。

人々の求めている夢を提供するのが映画ビジネスである。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (8 人)ゼロゼロUFO[*] 新旧名駄[*] 死ぬまでシネマ[*] ダリア[*] peacefullife ナッシュ13[*] プロキオン14[*] 甘崎庵[*]

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