[コメント] トータル・フィアーズ(2002/米)
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これは意外にも面白かった。ジャック・ラインシリーズは前作の『今そこにある危機』しか見ていないのだが、それが酷すぎたので期待はしてなかったのだが、本当に思ったよりも全然良かった。
日本人なら唯一の被爆国ということで、核兵器に関してはすごく敏感に反応するのは当然。確かに、核兵器が落ちて、あんなに豪快にヘリが墜落したりしているのに、話の中心人物は結構みなさんピンピンしてるし、放射能のことなどにもほとんど触れずに流してしまっている。話を進行する上では直接関係ないエピソードなので核兵器ではなく、強力な爆弾くらいの設定の方が良かった気がする。でも、実際自分は核の描写の曖昧さだけでこの映画を酷評する気はさらさらない。それだけで切り捨てるには勿体無い部分いっぱいあるから。『パール・ハーバー』みたいに日本の描写も酷い、映画としても酷いじゃ叩きますけど。きのこ雲を画面上に再現してしまっているのを見たときは、さすがに複雑な気持ちにさせられた。あの迫力もたまげた。映画館でこそ味わえる迫力なので、劇場で見てよかったと思う。
何が良かったかというと、核爆発後の展開です。最近の世界情勢を考慮に入れると、多少現実離れしているとは言え、リアルさを感じざるを得なかった。もし、戦争がこれから起こるとしたら・・・などといろいろと考えてしまいました。テロリストが大国同士を対立させて世界の破滅を招く、なんて難しいとは言えど、計画自体が非常に怖い。また、前半に比べて、緊迫感あるアメリカとロシアの駆け引きが非常に面白い。フィル・アルデル・ロビンソンの演出が良い。役者も、ジェームズ・クロムウェル、モーガン・フリーマンあたりのベテランにはさすがに貫禄を感じる。ベン・アフレックのライアンよりベテラン勢に気を引かれてしまった。
ラストのお決まりなアメリカ万歳は確かに安易だが、それも予想通りと言えば予想通りなので、あまり気にはしていない。それよりもやはり中盤の展開が非常に興味深かったので満足している。娯楽サスペンスとして、見応えのある作品である。
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