[コメント] ドニー・ダーコ(2001/米)
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宣伝から勝手にニューウェーブ色の濃いSF作品を予想していたが、切ない青春映画だった。冒頭の夜明けのシーンと聞こえ出すエコー&ザ・バニーメンの曲に早くもノックアウト。舞台背景が80'sなのだがティアーズ・フォー・フィアーズら、流れるナンバーがシーンのひとつひとつや、ジェイク・ギレンホール演じる複雑な主人公の心理を無理なく表現していて感覚的な監督のセンスが非常に光っている。途中までは思春期の精神の不安定な少年ドニー・ダーコが空想の友人フランク(ジミー・デュバル)を生み出し現実と仮想を交叉させたストーリーだと思っていたが…。リバースしてみると、不慮の事故で亡くなった少年の「もし…」で、はじまる別の人生の一端だったというアイディアがハッとする。ラストでの、向かいの家の幼い少年の「かわいそうに、ドニー・ダーコ」という何気ない台詞が物語のすべてを表し、涙を誘う。個人的には湿っぽさや不可思議さだけにウェイトを置かずにドニーとクラスメイト(ジェナ・マローン)の爽やかな関係や個性的な教師ドリュー・バリモアの存在をきちんと描いてる部分に感心し、又それが絶妙のバランス生んでいたと感じる。時をおいて、ふと、また観たくなる秀作。冷んやりしたトーンの映像も一役買っている。名台詞も多いので列挙しておく。
「逆らったら孤独になる。何もかも解らずじまいだ」byギレンホール
「ドニー・ダーコなんて名前、スーパーヒーローみたい」byマローン
「すべての英単語による無数の組み合わせの中で 最も美しいのは″CellarDoor″」 byバリモア
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