[コメント] フレディVSジェイソン(2003/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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『エルム街の悪夢』、そして『13日の金曜日』・・・。俺はどちらも近くの○SUTAYAの品揃えが悪かったために観ることが出来なかった。結局このシリーズの関連作で観たことがあるのは『ジェイソンX』のみという状態で劇場に足を運んだ。ある程度いろいろなサイトで予習はしていたものの、どの程度ノレるかというのは微妙なところだった。
が、これは面白い!オープニングは人々に忘れ去られたフレディの嘆きから始まる。それは一時ブームになり、今となってはビデオ屋の片隅に置かれ、DVDがしょっちゅう廃盤になる80年代のホラーを象徴しているかのようだった。現に、一緒に劇場に行った友人達は『エルム街の悪夢』を知らなかった。そんな俺等にフレディは80年代ホラーの主役達の代表として、再び恐怖を蘇らせることを宣言する。
前半はその宣言通りにそれなりに恐怖が感じられる正統派ホラーで結構よく作られていた。しかも意味不明にくっついてくるエロシーンがまた最高。そしてジェイソンの大暴れが始まってからはB級大爆発。夢の中でフレディにやられまくってガンガンぶっ飛ばされるジェイソンは大爆笑。
また「俺の女に手を出すな」と叫ぶフレディの姿には哀愁が漂っていて、スクリーンと女によっぽど飢えていたんだろうな、と観ているこっちにまでその気持ちが伝わってきた。その後はフレディとジェイソンどっちが勝とうが、誰が生き残ろうがどうでもよくなった。ただ、どちらにも負けて欲しくなかった。バトルシーンは爽快感たっぷりであったが、奮闘するフレディ、無言で人々をぶっ飛ばすジェイソンの両方に前半で感情移入してしまった俺は、二人が斬り合う姿を見ていて段々かなしくなってきた。
お約束通り高校生が誰一人として高校生に見えなくても、ちょうどいいところにプロパンガスが置いてあっても、更に続編が作られるんじゃないかというラストにしようと、これは傑作だ。かつてのホラーの主役を蘇らせ、ファンを喜ばせるだけでなく、新たなファンをも増やせるくらいの完成度に仕上げてくれた。現に俺はフレディに惚れた。ジェイソンに惚れた。流血量、ストーリー、どれをとっても十分満足できる熱い映画だった。
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