[コメント] 壬生義士伝(2002/日)
エピソードの取捨選択が拙く泣きも笑いも同じことの繰り返しに見えてしまう。また二人の主人公の対比も弱い。佐藤演じる斎藤一が大過去(幕末)に於いて幾ら冷徹に振舞ったとて小過去(明治32年)に於ける好々爺ぶりを何の工夫もなく見せられているわけだから突き抜けたものが得られるはずもない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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それと既に幾人かの方が触れられているが久石譲の音楽が馬鹿馬鹿しいほどにうるさい。この人の頭にはもはや映画サウンドトラックが自身の新しいソロアルバムとしての体裁を整えるだけの尺(*)に達したか、そして如何にそれを売り捌くかということしかないのではないか。彼のメロディメイカー・作編曲家としての実力までを否定する気は毛頭ないが、映画音楽監督としては全く尊敬できないし信用できない。
*・・・現代的感覚に従えば最低でも12曲60分以上は要るのだろう。上限は長時間録音版だと約79分まで伸びる。その全部が劇中使用されていることはまさかないだろうが、上映137分の全尺のうちの少なくとも1/3以上は音楽が鳴っていた気がする。恐ろしいことだ。そして付け加えて云わせてもらえば俺が個人的にもっともグっと来たシーンはラスト、佐藤が夏川(娘)の顔を確認するところであった。映画的にも肝であったはずだが、そう、ここには久石の音楽が乗っていなかった!滝田監督、あんたは辛うじて正しいよ!
一応、三点付けているので良いところも挙げておく。
滝田監督が最も拘ったと思われる派手なバイオレンス描写と、村田雄浩の少年時代を演じた伊藤敦史君。中井と夏川由衣のロマンスシーンに於けるこそばゆいほどの軟調画面。
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