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[コメント] 白夜(1957/伊=仏)

世界は恋人たちのためにある。夜の帳は、ふたりのダンスで下り、ふたりを包み、あてにならないふたりの約束で明ける。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ヴァレンタインにしろ、クリスマスにしろ、人肌恋しい寒い季節に限って、街は恋人たちのために装いを変えちゃうんだよなぁ、ケッ。雪だって、そりゃ、ふたりで見りゃあ、キレーだしょっ、感動モンだしょ、あ〜ヘイヘイ。ひとりで見たって「さぶーっ、ああ、さぶっさぶっ」なだけだ、チッ!

ショーウィンドーに「CIAO!」って書いた女の子の勇気に拍手!後で、マリオとナタリアとすれ違う一瞬の「チッ!」ってな横顔にある気持ち、わかるぞーっ!ってな、話じゃなかったな…

僕がこの映画で一番好きなのは、あのオープニングとラストに登場するワン公。マリオが餌(?)で釣ろうと追いかけてるときは、サッサとどっか行っちゃうんだけど、彼が諦めて餌を川に投げ捨て、道を行こうとすると、回り道して現れ、付いてくる。で、マリオが相手してくれないとわかると、立小便(笑)、角を曲がってサッサと行っちゃう(爆)。「も〜中に誰か入ってんじゃねーの?!」ってなタイミングの良さ!しかもラスト、振られちゃってションボリ肩をすぼめて歩きだすマリオを、慰めるように再び現れる。ワン公とマリオのやりとりって、恋の駆け引き、やりとりそのまんまだよなあ。ヤラレタ!マリオ、そのワン公飼ってやれ!下宿屋のおばちゃんに「も〜そんなドロドロな犬連れてきちゃって!アタシゃ、忙しいんだよ!犬の面倒なんか見てられないわよ!んも〜しょーがないわねっ!別料金よっ!」って言われても飼ってやれい!

次に好きなのは、あのダンス・ホールでのシーン。マストロヤンニのあの欽ちゃんダンス(ジェリー・ルイスだって?笑)に★5差し上げたいぐらい。あの場でノリノリなるには、チョイ年食いすぎちゃってるし、最初はマジメに話なんかしちゃうんだけど、「俺だって昔は…」ってな具合にガムバッちゃう。わかるぞ〜っ!(笑)ビスコンティゴダールファンらしいけど、あの『はなればなれに』のマディソン・ダンスのシーンより、断然好きだぞ、ウンウン。あの恋人たちのダンスが放つ、『ダーティー・ダンンシング』ばりの熱気を、恋人たちの汗や、あの女の子が窓開け涼むカットだけでも十分伝わってくる。

オールセット。幻想的かつ、(恐らくinaさんが仰るような)映画的リアルなビスコンティの白夜の世界。初冬の湿ったちょっと重たげな空気感。この空気は、恋人たちが占領するもの。その世界から、爪弾きを喰らって、イターイ恋のレッスンを受けるマストロヤンニ。切ない焦燥感つのるヴァレンタイン間近のオイラは、思いっきりハマりましたね(笑)。

「青春」と呼ぶにはちょっと遅いけれど、その「微妙な時間」の切ない恋物語。ええんとちゃいます?!

[2.10.02/日本イタリア京都会館]

(評価:★4)

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