[コメント] 丹下左膳餘話 百萬両の壷(1935/日)
音楽がちょっとしつこいのだが、実は『人情紙風船』よりもお気に入りである。[ラピュタ阿佐ヶ谷]
誰が言ったかは不明だが、山中貞雄監督の作品を関係者の一人が評して、次のように語ったそうである。
曰く、「山中監督は不思議だ。実際に撮影している時には、スタッフも役者でさえも、今どのシーンを撮っているのか分かっていない。それでも、撮影が済んで編集したフィルムをラッシュにかけると、ああなるほど、あの時はこの場面だったのか、と納得が行く。
「そればかりではない。どれをとっても、編集したプリントは非常に素晴らしい。彼の作品には一本として駄作はなかった」
その言葉の意味は、実際にこの作品を観ればすぐに分かることだろう。山中監督の「カットのつなぎ方」はまさに芸術である。単に小道具の三次元的な配置でつなぐだけではない。前カットからつながる「オチ」すらも作り出しているのだ。オチと言えば、ラストのほのぼのとしたオチも良い。
ところで、「こけ猿の壷」とはどうしてこんな呼び方なのだろうか? 誰か教えてください。
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