コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 耳をすませば(1995/日)

あの都合のいい原作をここまで都合で書き換える力っつうのはすごいぞ。『小さな恋の物語』と双璧の、その後を考えたらお終いな映画。「好きだ〜」のくだりは「少女マンガ」だから、という制約ではなかろうか?
ピロちゃんきゅ〜

少女マンガは映画になりえるのか?の議論で企画されたと、宮崎さんの何かの文章で読んだんだけど、この映画を通してそれはどう結論付けしたのだろうか?僕個人は非常に好きな映画だ。けど、その狙いを説明された後で考えるに、狙いはずしまくってんじゃん?みたいな感じは否めない。この原作を好きな人には「え?」ってなぐらいの飛躍があるし、逆に自分のように映画が気に入って原作を買ってきて読んで「おい!」って思うぐらい跳躍している。と、思うんだけど。結果として、この実験は「意味無し」だったんじゃないか?別もんじゃん。例えば、松田聖子の「青い珊瑚礁」がロックやパンクに成り得るか?みたいな企画で、軽いからテンポ遅くしてキーも下げて、たるいメロももっと切れよくして、能天気すぎっから転調して渋さも出して、サビだって思い切ってメロも替えちゃえ〜てな具合でエンディングだけ昔風にさわやかな終わり方で終わらせればいっか!みたいな。松田聖子も気がつかずって感じか?

あのラストシーンの彼の青々しいセリフ、そしてそれに堂々と答える雫。あのシーンだけが、唐突に少女マンガ(しかも、かなりお手軽)の世界に引き戻されてしまうが、逆にそこが背筋凍る思いがしてええんでないの?「うっひゃ〜」って感じで。僕は少なくともそうだった。惚れはしなかったが…。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (3 人)coma かっきー カルヤ

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。