結構楽しみにしていただけに、かなり肩透かしをくらいました。

面白いエピソードも複数あるのだけれど、 やっぱり、映画向きじゃあないと思う。

プロモとして、無声映画みたいなものとして見るなら 退屈しないかもしれないけれど、 こんな小ネタたちは、ほんの少しだけあるからスパイスになるもので、 全編通してだと鬱陶しい。

例えば、「悪いことしましョ」のオープニングシーンみたいに。

前半は、登場人物たちの「スキ・キライなモノ」に 「あるあるー」みたいな気持ちを受けたけど、 所詮そんなモノは誰にでもあるもので、 人の日記や手帳を思わず見たくなっちゃうような心理を わかった上でのテクニックであって、 浅いもの。感動するようなものではない。

全てを挙げたらキリがないくらい、この手のネタだらけ。

そういう突飛さや、今までにないような演出（私にとってはやりすぎだけど）、そして、配役の上手さや、色彩・カメラワークのみならば、 4点あげてもいい。

けれど、やっぱりやっぱり、アメリが他人にしたスレスレのことは 本当に解せないし、許せないものだし、 それを肯定して、「みんなを幸せに」みたいなキャッチコピーも すごくいやだ。超嫌悪感。

こんなに評価が高いのは、それだけ、形に捉われて生きている人が多いということなのか？

いたずらはいたずら。 映画の中だから許せる話であって、 共感しちゃいけないものだと思う。

「オースティンパワーズ」とかみたく、笑えるとか、 そういった点で高評価にするならいいと思うんだけど、 そうじゃないとしたらちょっと何かが間違ってる気がするな。

でも、高評価の人たちのレビューを全て読んで、 「泣けた」とか、 「何度も映画館に行った」とか、 「そこにいる空気みたいなものが違った」 などのようなニュアンスを感じた人たちを、 反面羨ましくも思った。 私には決してない感情だから。