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[コメント] X-MEN:ファースト・ジェネレーション(2011/米)

X−メンのEp1〜3は、エリックことマグニートー主体なのか。なんだか『スター・ウォーズ』と似たパターン。(あと2作作られるかは判りませんが、勝手にエピソード4・5・6・1と数えさせていただきました)
YO--CHAN

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







いや、それはそれでOKなんだけど・・・できれば、EP4〜6のイアン・マッケランでやってほしかった。それ程彼の存在感は行き渡っていた。年の問題もあったろうけど、「エネルギーを放出し過ぎて年をとって見えるのだよ」で、いいじゃないか。

(若者が多い作品なのに、なぜかオジサンばかりが秀逸な3部作だったなあ)

ただ、全体を通じてミュータント(少数派)がしいたげられる描写が少ない為、彼等の葛藤に今一つ実感が湧かない。例外的にミスティークは、外見的に露骨に違うというせいで、すごく納得してしまうけど。

マグニートーが、敢えてイバラの道を選択するのだって、もう一つ描写があってもよかったのでは? 例えば、ニコニコ作り笑いでCIAの研究室に招かれて、とっても酷い検査と拷問を受けて、動物扱いされて、「信じてたのに・・・お前らあいつらナチスと同じだよー;」とか半泣きで脱出するとか(ありきたりだけどさ)、演説と砲撃だけでは、なんか人間的な実感がない。

あと、末端の事かもしれないけど、戦争謀略屋のショゥさんが自分には今一つだった。 冒頭はよかった。直前に母親を射殺しといて、「コイン動いたよくやった」とその子の肩を叩いて喜ぶショゥ。子供の死ぬほどの悲しみを、かけらも理解しない狂気。このオーラが30年後には引き継がれていない。彼は「劣化した場合のマグニートー」の様な役割もあったと思うのだが、これでは、サイボーグ009で言えばバン・ボグート程度の存在感だ。

とりあえず今回は、すっぴんで通そうと決意したミスティークには感動した(前作に比べ太目でちょっとだけ残念だけど)。敢えて自分のミュータント性を肯定するマグニートーもよかった。自分を「これでいい」と認めてやれる人間は美しいのかもしれない(ミュータントだけど・・・どっちでも似た様なものか)

※ 気になってもう一回観ました。気がついた事を少しだけ。

(1)常にミュータントとしての外見を気にして、目立たない様に努めるハンス(変身前の)がやけに印象に残った。ミュータントである事をいつも気にしてオドオドする様を「ピエロだな」とからかわれる。実際は技術系のほぼ全部や治療系をまとめてやっているのに。自己紹介の席でも一番端っこに縮まって座ってる。ビーストな姿になって「失敗だ」と俯く彼とそれを歓迎するマグニートーは、まさしく正反対の存在なのかもしれない。なのに、自分がハンスに感じる敬意(?)は、マグニートーに感じるそれとなぜか似ている。できれば次回作にも、彼には悩みながら、俯きながら大活躍してほしい。(ゴメン)

(2)復讐を果たした後、急に教祖みたいに演説を始めるマグニートーはやはり不自然だった。ただ今にして思えば、これはショウに中途半端ながらも洗脳されたという設定かもしれない。この後、彼が仲間をつどうシーンと、ショウが施設に乱入し、旧ナチスチーム加入を誘ったシーンが極めて似ていたところからそう思った。

(3)冒頭のナチスの硬貨の裏側がXメン(X面?)というのは、かなり「ユダヤ人=Xメン」という解釈を後押ししている気がする。今年秋には、パレスチナが国連で一方的に独立国宣言するというのに、なんだか危険な暗喩だな。

蛇足ですが、2回とも映画館は5人、15人といったところでガラガラでした。同じシネコンで『SUPER8』をやっていたので当然かもしれません。敢えてスピルバーグの新作に背を向けてこちらを観る自分達も、まさしくマイノリティ(笑)という気分でした。

(評価:★4)

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