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[コメント] にっぽんぱらだいす(1964/日)

なんであれ、ひとつの文化・風土が終焉する瞬間は寂しい。 初めての“お勤め”をした後に、「わたし、お腹すいちゃった」と呟く名台詞が脳裏に焼きつく。
AONI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この題材をデビュー作で選んだ前田陽一ってタダ者ではない。実際の赤線地帯の興亡を知る人にとっては、一際感慨深い作品だろう。

こういう題材の作品は大概、いかにも「売られてきた不幸な女です」という女達が描かれるのだろうが、本作は全然違う。ホキ徳田を筆頭に、したたかでたくましく活力に溢れる姐御さん達ばかりが登場する。不幸は全て香山美子が引き受ける形。

この映画が撮られた1964年という時代を象徴してか、売春婦達の組合も丁寧に描かれ、また売春婦の生態調査の為に飛び込むトンデモ女学生加賀まりこなんかが登場するのも面白い。

それにしても、体育会系の学生勝呂誉が、香山美子とデートをし、「見ててね」と言って行う競技が「競歩」だったのにはズッこけた。「競歩」をやっている人には怒られるかもしれないが・・・。

(評価:★3)

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