異常な実話をよくぞここまで。ここまで美化できるアルモドバルは素直に凄いと思うけれど、美化しても問題ない話と美化すべきではない話があると思う。わたしは、絶対に受け入れられない。本当によく出来た（騙している）映画で、観ている間わたし自身だってベニグノやマルコに感情移入してしまったほど。だけど、だけどやっぱり自分がアリシアだったらと思うと物凄く抵抗がありますよ。アリシアの立場に立って考えたらイヤですって絶対！たとえ昏睡状態でもイヤですってばー！やだやだやだー（駄々こね）。もし彼女に意識があったら「あなたって献身的で、とっても素敵な人ね。愛してるわ。」と思うと思いますか？少なくともわたしは許せないですよ。意識無ければ、献身的なら、（一方的な）愛があれば、ＯＫなのかな。大体、あれは愛なのかな。植物状態だからといって、一生目覚めないかもしれないからといって、されるがままの女性だからといって、何をしても良いの？彼女の意思は？彼女に意思が無いからっといって、彼女は「人形」じゃないのに。もし自分が目覚めて、犯されて妊娠して出産までしていたなんていう事実を知ったら絶望するもの。絶望しますよ。わたしだったら絶望します。 ベニグノが自分のことしか考えていない時点で、あれは愛とは呼べないと思う。

１点にしようかと思ったくらいだけれど、あんまり上手く作られた話だったので２点に。