これは『2001年宇宙の旅』の続編であると思う。或いはリメイク。 ワタシは「2001年〜」を、出自の異なる二つの知性体の闘争と進化の物語と見ています。方や人類代表デイヴィッド・ボウマン、此方人工知性代表ＨＡＬ9000。辛くも勝利した人類は進化の次なる階段を登ることに成功。それを説明を一切省き、圧倒的な映像で押し切ったのがキューブリック。さてスピルバーグは？この映画でも人類ｖｓ人工知性の構図が。全体の構成がそっくりそのまま「2001年〜」のそれを踏襲しているのはもとより、立場が違えど主人公の名前がどちらもデイヴィッドというのは偶然でしょうか。この映画では人類は滅び、生き残ったのはＡ．Ｉ．デイヴィッドの方でした。最後にママとのすばらしい一日を過ごし、”夢”を見る事ができたのは、スピルバーグ流”知性の進化”の表現だったのかも知れませんね。結局キューブリックにとっては、人類だろうが人工知性だろうが、進化するのはどちらでもよかったのかも知れません。同じ知性、そこになんの違いがあるのかと。 　脚本のまずさ、せっかくのＣＧ技術を持ちながら、それに頼り切れなかった思い切りの悪さに☆一個マイナス。ですが切って捨てるには惜しいテーマの作品です。