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[コメント] 火垂るの墓(1988/日)

分かった。この物語はきっと「あんまり勝手なことをやってると、こんな悲惨な死に方をしますよ」というたとえ話なんだ。そうに違いない。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 戦争の悲惨さと苦しみを通して兄妹愛を貫いた感動の名作…だそうだ。

 問題は、私はまるでこれに感動できなかったと言うこと。いや、むしろ、この映画のあまりの馬鹿馬鹿しさに開いた口がふさがらなかった。と言うべき。

 映画の冒頭で、死んだ母の着物を売った金で買った米を半分に分ける叔母。それに対し、非常に不満をくすぶらせるシーン。何故不満なのか?こんな時代に引き取られたなら、身ぐるみ剥がされても文句の言えない状況。兄妹に部屋をあてがい、不自由しているはずの叔母の家の状況は完全に無視される。

 軍事教練に出席せず、ただ妹と遊ぶだけの兄。これを「自由」と言えるのは価値観なるものがぶっ壊れている現代だけ。確かに軍事教練は馬鹿馬鹿しいかも知れない。だけど、無視することは更にとんでもない。これが主義主張がそれなりにあれば、理由付けはされるが、それもなし。社会性が全くない訳か。

 叔母の家から兄妹だけで逃げ出す。最早何も言えない。結果は目に見えてる。

 妹が病気になったときに何も出来ない。当たり前。自業自得。

 火事場泥棒。いいのか?これを感動的な物語と言っていいのか?

 いいか。お前が妹を殺したんだぞ。自分が死ねばその責任を取れるなんて思うんじゃない。

(評価:★1)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)狸の尻尾 stag-B[*] 浅草12階の幽霊 ロボトミー[*] こしょく[*] ハイズ[*]

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