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[コメント] しあわせのかおり 幸福的馨香(2008/日)

いい映画です。こういう映画は見る方が気持ちをしゃんとして、少々余裕のある時に見たほうがいいと思えます。映像から何か、映画愛を感じるようなそんな素晴らしい映画です。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







妻と子供を亡くした料理人と夫と死別後娘を連れて金沢に生き延びてきた女。そんな二人が料理を通じて心の交流を進めていく。そこには恋愛も、事業も、採算も、世間の景気も何もありませんが、本当の人間同士の交流があります。

この映画は金沢の名所は全く見せないで、バスなどを通して古い庶民的な街角から金沢を描いていきます。小さな中華料理屋の日替わり定食にかよう人々から本当の金沢の息吹を感じ取れます。

料理人の故郷、中国の紹興の町並み、同じく人々の温かさから、紹興と金沢がまるで一つの街に解け合ったように距離は離れていても人のつながりといったものを感じさせます。

そして、最後に世界で一番豪華だといわれる中華料理のフルコースです。料理は魔法です。人の心を暖かくします。喜びを与えます。満足感を与えます。デザートの前に、庶民的な卵とトマト料理をプレゼントしてくれます。至福です。この丸テーブルに着く新しい門出の親族たちに、まるで紹興と金沢の架け橋のように素晴らしいエールを送ります。

こんな、映像で人間の心をしっとりと紡ぐ映画を見ることが出来るのは映画愛以外の何者でもありません。こんな映画はホント大好きです。この映画を見たことを忘れないでしょう、、。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)tkcrows[*] 水那岐[*] ジェリー[*]

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