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[コメント] 戦場のピアニスト(2002/英=独=仏=ポーランド)

The Pianist(Le Pianiste)という原題に「戦場の〜」と付けた感覚が非常に良く分かる映画のようであり、、いやそれが却ってどうなんだろうと思う
peacefullife

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画全体が写しているものとは、シュピルマンの実体験である。一人のピアニストの体験。一人のピアニストの生涯。

宣伝の悪さなのか、「ピアノ」に的を絞った感動映画だと思って観てしまうと、演奏シーンの少なさや、主人公の「ピアノそのもの」への情熱の強さなどで、どうもしっくり来ない。

戦争映画として観ていても、どうもしっくりこない。

このあたりを、焦点のブレのようにも感じつつ、これは観る側の姿勢の問題でもあるかと思い、ひとまずは3点での採点で保留したい。

娯楽作品的な感動を期待してしまうと、私のような感想になってしまうのではないかと思う。

しかし、戦争の悲惨さ、人間の命の重さと軽さ(意味的な重さと、実質的な軽さ)などは、淡々とした演出が効果となって、非常に重く心にのしかかってくる。

観客は、神の視点から物事を俯瞰しているのではなく、シュピルマンその人の目線から、圧倒的な恐怖を前にした無力な一人の人間として世界を見る。

中で、私が最も人間の狂気を感じたのは、「彼らは誇りのために死んだ」と、強い眼差しで語る女性の姿だった。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)グラント・リー・バッファロー[*] 水那岐[*] トシ[*]

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