[コメント] 惑星ソラリス(1972/露)
人はただ祈ることしか出来ないことを、ソラリスの海は静かに語っている。
河のせせらぎは、男の過去の悲しみを包んで流れる時の経過を連想させる。時の流れは平等で、全ての人間の記憶を忘却の彼方へ押し流そうとする。
ソラリスでは、否応無しに過去の自分との対峙を迫られる。まるでそれは深い悲しみと共に誰をも(富者も貧民も犬も河のほとりで焼かれた死者の灰も)受け入れて流れるガンジスのようだ。
現れたものは、男の中で生き続けた妻の幻影か。
ソラリスは男の生きてきた世界そのもの。帰り道は用意されていない。
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