邦画と洋画じゃ、怪獣の描き方が根本的に違うと思う。邦画の怪獣は漫画的で、洋画は生物的だ。

日本じゃ、怪獣って言えば、ビルより大きくて、火や光線を吐くのをイメージすると思う。でも、洋画にはそんなモンスターはほとんどいない。登場しても、田舎だったり、無人島だったりで、大都市を破壊することなんて珍しい。

エイリアンは等身大だし、キングコングだって、火も光線も吐かない。リメイクのコングは、ビルを叩き壊すことさえほとんどしない。

怪獣のデザインも、ゴジラとGODZILLAを全体像でなく、細部について比べると、ゴジラの目は三角形に吊り上がっていて、白目と瞳がはっきり区別できる。人間の眼球をそのままはめ込んだみたいだ。それに対して、GODZILLAの目は丸く、どこに瞳があるのか分からない。そして指先までトカゲらしさが出ている。

話が前後するが、この邦画と洋画の怪獣の描き方の違いに気付けば、GODZILLAのデザインが恐竜そっくりなのは、納得がいく。あの姿が公表される以前から、アメリカのゴジラは恐竜みたいになるだろうと、充分予想できた。（さすがにトカゲ人間だったのには驚いたが）

火を吐かないのも、放射能を吸収しないのも、ただのミサイル攻撃で死んでしまうのも、すべて予想通り。

ここまで予想できれば、もはやその他の違いも気にならない。正体がイグアナだろうが、時速300マイルで走ろうが（リニアモーターカーか？）、山のように卵を産もうが、そんなことを理由に、「こんなのゴジラじゃない！」と怒る気なんかない。

むしろ、これほど巨大な生物を、大都市で暴れ回らせたことに乾杯！こんな洋画、めったにないぞ。