それはなにも金品の受け渡しをするってだけでなく、あくまで感情の授受が優先するって意味でね。

普段あまり意識しないけど人は常に他者と補完しあって生きているはず。でも日常では敵を設定しいかに優位に立つか、打ち負かせられるか、、、勝者と敗者の二項対称に陥りがち。特に現在は顕著に。

劇中ではそれが一切なかった。「お互い様」の感情が物語の核になっていたからだろう。 父親に複雑な思いを持つであろう異母姉妹たち・皆が集う食堂の身売り話を親身に考える地銀・母と子(長女)の墓参りでの邂逅・長女の浜辺での彼氏とのさわやかささえ感じる別れ、、、 でも１番は、父親が不倫して家出てっちゃったのに、その娘である長女も不倫してるという、、、 これぞ究極の「お互い様」なんだろう、、、 そこにはやっぱ親しみがあったはず。 「お父さんはダメな人だったけど、こんな素敵な妹(すず)を授けてくれた…」と四姉妹の誰かが言った。 自分は長男だからか、常に長女目線の観賞態勢だった。

ちょっと出来すぎくん映画かもしれないけど、極楽寺周辺が舞台だったのも気持ちよく、まさに心身共に癒される「極楽極楽」♨️な映画だった。「さあ、ひとっ風呂浴びるか。四姉妹と」(笑)