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[コメント] 宇宙戦争(2005/米)

水準以上の十分に面白い映画ではあるが、あのスピルバーグならもっとすごい傑作が作れたのではないかという思いが消えないのも事実だ。
ナム太郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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実態の判らぬものに突然襲われる恐怖を描いた前半〜中盤は見事。鑑賞後に振り返るとまんま『激突!』的なところもあるのだが、それすら考える余裕を与えないスピーディな演出はさすがスピルバーグと唸ってしまった。一台の車をめぐって人々が暴徒化するあたりの説得力十分な演出も素晴らしい。

しかし、どういうわけか、その勢いも終盤一気に失速してしまうのだ。その思いはティム・ロビンスの館に逃げ込んだあたりから顕著になる。

例えば館に侵入してきた宇宙人から必死で隠れようとする際の演出は見ていられないほどの稚拙さだ。本来ならばこの時点でハラハラドキドキの恐怖は最高潮に達してなければならないはずなのに、逆にそれが薄まっていくというのは正直どうなのかと思う。

また、原作未読の私にはティム・ロビンスの狂気や、最後の微生物のオチにしてもある程度理解はできるものの「それで終わり?」的な食い足らなさを感じたのも事実だ。なんか大事なところをバッサリと端折った感じ。確かに近年の作品には珍しく2時間以内で終わっているのは好ましいことなのだが、このあたりはむしろもう少し説得力のある映像が欲しかったところだ。

とは言っても、この映画が十分に面白い映画ではあることは間違いない。これだけ文句を言った私自身も採点自体は★4。決して悪い評価ではない。しかし彼なら、あのスピルバーグならもっとすごい傑作が作れたのではないかという思いが消えないのも、これもまた事実なのである。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)sawa:38[*] おーい粗茶[*]

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