２００２年１月１８日記： 映画でどれだけのものを描いたのか。ということになれば。この映画は、もちろん戦争を超えた人間と、人間をも超えたものに迫っている。

それは、多くの監督達が自分の言語で作りつづけていることではあるのだけど、コッポラの力量は、娯楽映画という範疇で、数々の映像的快感を併せ持たせてなしとげたところ。でしょうか。 と、完全版を見る前にしつこくつけたしたりする。

★そんで特別完全版を観て

やあ。もうやめようよ。次から次へとできる、完全版って。 と思っていたものの。これは、もう別物。チラシのコピーじゃないが。 コッポラの生き物。ああ、そうだね。あんた。上手いこというよ。 もう、何度も何度も作るがいいさ。産むがいいさ。殺すがいいさ。

で、もう観るのもくたびれるが、書くのも疲れる。だって、完全版ではあき足らず特別がつくのよ。 これは、全く違う映画になってしまったね。それは、人物描写が増えた分、行動がわかりやすく、映画全体の構造もわかりやすく。そして、わかりやすい、（ただの）素晴らしい戦争映画となってしまった。という印象。

オリジナルに強烈に惹かれていたのは、戦争映画ではない人の「闇の奥へ」という部分だったような「気がする」のだけど。戦争についてなんか語ってほしくなかった。セックスシーンなんか挿入してほしくなかった。プレイメイトの物語なんかいらなかった。マーロンブロンドの場面もこんなにいらなかった。オリジナルのラストの衝撃が。とかとか思うのはすでに間違いだらけの記憶との闘い。

だけど、すばらしい映画。でしょ？

んんん。たしかに。

そこへ行くと戻りたくなり、戻るとそこへ行きたくなる。